ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

2020年シーズンが開幕 今年もメチャクチャなブラジルサッカーの日程

 去る18、19日にブラジル国内のいくつかの州では州選手権が開幕した。

世界でも稀なこの州選手権、4月26日まで3カ月以上にわたって続く。

22、23日に開幕するサンパウロ州選手権を戦うコリンチャンスは、リベルタドーレス杯の予備戦を2回勝ち抜けば一次リーグに出場となり、そうなると、週末にサンパウロ州選手権、平日はリベルタで、10週間近く週に2試合が続く。

 ブラジルリーグは、「全国選手権」の訳語が付けられている。「全国」とわざわざつけなくてはいけないのは、州別の大会、「州選手権」と区別しなくてはいけないからだが、5月1日に始るその大会は1部リーグ20チームのH&A2回戦総当たりで全38節。6月12日から7月12日のコパ・アメリカ期間中も、7月23日から8月7日の東京五輪男子サッカーの間も全く中断せずにガンガン消化する。カップ戦なども含めると1年の消化試合数は強いチームだと余裕で60を超えてしまう。

 コリンチャンスは同じサンパウロ市内にパルメイラス、サンパウロFCと所謂ダービー関係のチームが二つ。街は離れているけれど、サントスFCもダービー仇と数えれば三つ。これらのチームとサンパウロ州選手権で最低1回ずつ、全国選手権で2回ずつ戦うから、年に9試合もダービーだ。H&Aノックアウト方式のカップ戦でダービーになれば、その数は11、13、15と増えて行く。

 3日前にボリビアから帰ってきたばかりでも関係ない。3日後にコロンビアでリベルタドーレスの試合があっても関係ない。ダービーに控えを出して負けるなんてことは絶対にファンが許さないから結局主力は出ずっぱり。「疲れた主力より体力残ってる控えを出した方が強いんじゃ、、、」たまのウィークデーのルヴァン杯で主力総とっかえの国、日本から来た僕は当然そう思うけど、こっちの人はそうではない。

 サポーターは気が短いから「今年はチームの土台を作って、上位進出を狙うのは来年に、、、」なんてことも許されない。コリンチャンス、サンパウロ、サントス、パルメイラスの監督の内、かなりの確率で最低1人はサンパウロ選手権の間にクビになる。だから、「たとえ負けが込んでも、最低1年以上の時間を与えて、監督の戦術をしっかり浸透させてから勝負する」もここではありえない。

 ブラジル人も口では、「もっと監督に時間を与えて腰をすえた強化をすべき」と言っているが行動がそうなっていない。

 これまでもずっとそうだったし、これからもずっとそうだろう。これがこっちのやりかたでこっちの流儀。

 僕が2012年のコリンチャンス世界一に魅せられて、2014年にブラジルに住み着いて7シーズン目。やきもきしながらも今年も楽しもうと思う。

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サンパウロ州選手権で3連覇中のコリンチャンスは、今年も優勝できるか?

JARBAS OLIVEIRA/ALLSPORTS