ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

白熱の首位攻防戦、首位コリンチャンスが、アウェイの地で2位のグレミオを1‐0で降す 

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欧州移籍が確実視されているグレミオのルアン(左)と、コリンチャンスのロドリギーニョ(右)(LUCAS UEBEL/GREMIO FBPA)

 

 6月25日、ブラジル全国選手権第10節、グレミオxコリンチャンス戦が行われた。

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驚異的なペースで勝ち点を積み重ねる両チームの対戦は、何節も前から「6月25日は直接対決ですが…」と会見で聞かれるほどだった。 

 コリンチャンスのカリーリ監督は「一戦一戦戦うことしか考えてません」と、そのたびに答えていたが、遂に直接対決の時がやってきた。

 「コリンチャンスは確かに堅い守備で勝ちを重ねているが、試合内容はグレミオのが上」などと、前評判は2位のグレミオ有利の声が大勢だった。

 試合開始から「現在ブラジル全国選手権でプレーしている中で最高の選手」と評判のグレミオのセカンドアタッカー、ルアンを中心に、グレミオが押し込む時間が続いた。

 コリンチャンスは最早おなじみの堅守で対抗し、ボール保持率で上回られても全く動じず、淡々と跳ね返し続ける。目を引いたのは、コリンチャンスのFWジョが、クサビを当てやすい位置まで下がり、ボールキープから味方を助けていたことだ。

 コリンチャンスは直前の試合で退場になっていたボランチ、ガブリエルの代役に入ったパウロ・ロベルトが、インターセプトから抜け出してシュートを放ったシーンが唯一の見せ場だった。

 グレミオが支配する時間が続くも今日はコリンチャンスのGKカッシオが大当たりでことごとくシュートをストップ、後半6分には、パウロ・ロベルトがまたも効果的なドリブルを見せ敵陣深くに侵入、折り返しをジャジソンが押し込んでコリンチャンスが先制した。

 印象的なTV解説の台詞が、「ブラジル全チームの中で、コリンチャンスだけが持っている特質が一つある。それは『全選手が100%戦術に忠実であること』だ。エゴを出す選手が一人もいない」というものだ。他のチームの方がテクニックに優れた選手を多くそろえていることは、コリンチアーノさえも認めるほどだが、今日の試合も集中を切らさず丁寧に守り、少ないチャンスをものにした。

 後半38分にはグレミオのコーナーキックのもつれからPKを献上してしまうが、グレミオルアンのキックをカッシオがストップして、最後まで1点のリードを守り切った。

 これでコリンチャンスは開幕から唯一負けなしの8勝2分、勝ち点26で首位を守り、勝ち点22で2位のグレミオと、初めて3ポイント以上の差をつけた。