ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

第8節コリチーバ0ー0コリンチャンス 試合前に両チームの過激なファン同士が乱闘、コリンチャンスファンが1人重傷

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(Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)午前11時という例外的な時間にキックオフのこの試合、上位対決ということもあり、コリチーバのホームスタジアムには2万5千人を超す観衆が集まった。

 

6月18日にブラジレイロン第8節、コリチーバxコリンチャンスが行われた。試合は全般的にホームのコリチーバが押し気味に進めたが、コリンチャンスは得点は許さず、逆に後半42分にマイコンとのパス交換から、元ブラジル代表のジョが抜け出し得点するもオフサイドで取り消された。

実はこのプレーは後からビデオで確認するとオフサイドではなく、コリンチャンスは判定ミスで勝ち点2を失った。1位と、3位、上位同士の対決は0‐0の引き分けに終わり、コリンチャンスは無敗記録を伸ばすも、19日のグレミオの結果次第で2位転落もありうる結果となった。

 

試合に関してはこれだけ、今日は試合前に悲しい事件が起こってしまった。ブラジルの報道で分かるのはここまで、「コリンチャンスのサポーターを乗せたバスが、コリチーバのサポーターの本部前を通過し、両チームサポーター同士の喧嘩が発生。コリンチャンスファン一人が重症」だ。最初の警察発表は、「コリンチャンスファン1人が死亡」だったが、その後「コリンチャンスファン1人が重症」に変わった。

サポーターと一言で言っても様々だ。映像に映っている両チームの「サポーター」は、「オルガニザーダ」と呼ばれる集団で、チームのユニフォームではなく、自分たちの団体の名前のそろいのシャツを着て、敵チームサポーターどころか、同じチームを応援する、別の団体とも反目している。

普段は敵チームのサポーターとは顔を合わせないようにスタジアムの入り口も指定され、そこへの道も何ブロックも前から隔離、警察が周りを囲んでスタジアムに入場させる。今回はそのバスが道を間違えて、コリチーバのオルガニザーダ本部前を通ってしまった。周りを囲む警察もおらず、喧嘩になってしまった。

どれほどチームを応援していても、敵チームのファンを暴行する動機は全く理解不能だ。「~~なんだから、仕方ないよね」「暴行したくなる気持ちも分かるよね」とは全くならない。つまりオルガニザーダは、一般のサッカーサポーターとは別人種で、話が通じる相手ではない。

彼らの本部に警察が入り、解体するなんてことは何度も行われているが、一向に効果がない。ブラジル社会全体の教育レベルを上げて、社会全体の平均的な富のレベルを上げて人の心に巣食う獣性を抑えるしかない。

なお、筆者の友人のほとんどは一般的なファンで、子供もいれば女性もいる。時には赤ん坊を肩車して観戦する人もいる。今回もチームが首位で、コリチーバはサンパウロから400キロほどと、遠征しやすいため多くの友人が試合を観戦に行っていた。誰一人事件に巻き込まれずに、無事に帰ってくることを祈るばかりだ。