ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル代表が白いユニフォームで戦っていた頃 1930年第1回ワールドカップ、ウルグアイ大会

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ブラジルのワールドカップ初戦となった、1930年、ウルグアイ大会のユーゴスラビア戦(wikimedia commons)

 
ロシアではコンフェデ杯が開幕し、いよいよ来年のワールドカップ開幕まで一年を切った。
日本は最終予選残り2試合で一つでも勝てば出場が決まるが、残りの対戦相手はオーストラリアにサウジアラビアと、自動出場権を争うチームで、全く気が抜けない。なんとしても出場を決めて欲しいところだが、ブラジルは世界最速で予選突破を決めて余裕綽々だ。
さて、筆者の住むサンパウロの有力紙、フォーリャ・デ・サンパウロが、ワールドカップカウントダウン企画として、「歴史を作ったユニフォーム」という連載を始めた。ワールドカップの歴史を、ユニフォームを通して語る企画だ。
 
前にレトロユニフォームの味わい - ブラジルサッカー便りという記事を書いたほど、レトロ・ユニフォームに愛着があるので、今後この企画の中からこれはと思ったものを一部翻訳して紹介しようと思う。
 
「歴史を作ったユニフォーム」1回目は1930年ブラジルだ。
 
1930年は記念すべき第一回ワールドカップが開かれた年で、ブラジルはこの年からこれまで全ての大会に参加している唯一の国だ。いまでこそ、黄色のユニフォームはブラジルの象徴のように言われているが、この大会、ブラジルのユニフォームは白だった。ブラジル代表がユニフォームのメインカラーとして白を使うのは、初めての自国開催だった、1950年大会まで続いた。
綿で出来た白地のユニフォームに青い襟、左胸の協会の紋章は、今のCBF(ブラジルサッカー連盟)ではなく、CBD(ブラジルスポーツ連盟)と書かれている。首元には紐が通されてもいる。紐付きのユニフォームは1934年までしか使われなかった。
また、今のような化学繊維ではないので、ゴワついて重く、汗を吸うとさらに重くなってしまう。
この大会のブラジルは初戦のユーゴスラビアに1-2で負け、続くボリビア戦に4-0で勝利するも、ユーゴスラビア、ボリビアとの3カ国の一次リーグで1位になれず、早々に敗退した。
まだまだ、「ブラジルと言えばサッカー、サッカーと言えばブラジル」のように、諸外国に恐れられる存在ではなかった。