ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル人は、どうしてこんなに股抜きするの?

 ブラジルでサッカーを見ていて、股抜きの回数がやたら多いことに気付いた。
ポルトガル語で「カネッタ」(「ペン」の意味、どうしてそういうのは分かりませんでした)と呼ばれ、成功すると観衆も大いに盛り上がる。やったほうが快感なら、やられたほうのいらだちも相当なもので、股抜きされても、その後わざとファールして、倒すことも多い。それが乱暴だと、倒された方も文句を言い、それにキレたほうも「文句あっか」と凄み返す。さらに両者の味方が加わって…なんてシーンはしょっちゅうだ。
 
 さて股抜きに話を戻す。確かに鮮やかなプレーだが、プレーの有効性という意味ではどうだろう?小さな局所の戦いで敵を小馬鹿にしているだけで、それで大きくボールを前に進めて敵陣に侵入して、チャンスを作ってということに結びつきにくいプレーとはいえないだろうか?
 そもそも、周りの味方がちゃんとパスコースに入っていればそこにだしてワンツーで突破したほうがずっと成功する確率も高い。
 前に内田篤人選手のインタビューで「どこにもパスコースがない、どうしようって時に、股抜きすることはある」と語るのを読んだことがある。
 そう、味方がボールを持っている選手がパスしやすいところに、こまめに顔を出していないから、孤立して股抜きをせざるを得ないのではないだろうか?
 いわゆる、「面を切るディフェンス」をされて、選択肢がないから股抜きが増えるのだろうか?沢山試みるから余計に失敗するけれど、それなりに成功もするんだから、チャレンジする課程でテクニックも磨かれるのだから、それでよい。ということだろうか?
 
 ブラジルのサッカー文化として、「ほら、1対1だぞ。抜けばチャンスだぞ」って、特にサイドアタッカーの選手が持ったときなんかはあえてサポートにいかないシーンも見られる。
 データ解析をして、「実は股抜きは効率が悪い。股抜きなど狙わないで、チームの連動性を高めて、常に誰かが必ず良い角度でサポートに入る事を試みろ」ってブラジルのチームがやるかと言えば、、、やる訳ない。
 
 股抜きに今後もオーッと湧いて、独りボソリと「今のボランチがサポートはいるの遅れただけじゃん」とつぶやくのだろう。