ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル全国選手権第12節 進撃のコリンチャンス止まらず

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PKストップも含む活躍で、リーグ戦6戦連続無失点記録達成のコリンチャンスGKカッシオ (© Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians )

 

 コリンチャンスの勢いが止まらない。ブラジル全国選手権第12節、7月8日にホームにポンチ・プレッタを迎えたコリンチャンスは、前半終了間際のジャジソンと、後半開始直後のジョのゴールにより2-0で勝利。10勝2分勝ち点32の驚異的な成績で独走態勢を固めた。
 翌日には上位を争うグレミオとパルメイラスも敗れ、両チームとの勝ち点差はそれぞれ10、13となった。2位には同じ節に行われたリオのクラシコ、ヴァスコ・ダ・ガマ戦を制したフラメンゴが勝ち点23でつけている。
 以前の試合で過激サポーター集団が発炎筒を使ったことで、片側のゴール裏閉鎖のペナルティを受けたコリンチャンスだったが、他の3方向のスタンドはぎっしり入り、ポンチ・プレッタ戦でも観客は3万人を超えた。
 試合はこれまでと同じく、相手にボールを支配される展開が長く続いた。コリンチャンスの試合後の監督会見では最近「A gente sabe sofrer」(直訳「我々は苦しみ方を知っている」転じて、「敵にボールを支配されても、慌てず守る事が出来る」の意)という台詞が良く出てくるが、今日の試合もその例に漏れなかった。
 今年上半期のサンパウロ州選手権で準優勝と健闘ポンチ・プレッタは、エースのポッチケが、全国2部とはいえ、ビッグクラブのインテルに移籍してしまった穴埋めとして、元コリンチャンスのエメルソンを獲得。エメルソンは38歳にもかかわらず溌剌としたプレーを見せた。
 エメルソンのドリブルはほとんどチャンスになり、コリンチャンスはファールで止めるのが精一杯。コリンチャンスからレンタル移籍中で、全国選手権で7得点と好調のルッカも中心に攻め立てたが、コリンチャンスはゴールを割らせない。
 逆に前半終了間際、アディショナル時間も1分を過ぎようとしたところ、左サイド、ロメロのクロスにジョが合わせてシュート、これはポンチGKが止めるも、こぼれ球を左サイドバックのアラーナが折り返し、ジョはそれに合わせそこなうも、ジャジソンがこぼれ球を蹴りこみ先制した。
 ポンチ・プレッタはこれで気落ちしたか、後半開始早々にも、ゴール前でジョをフリーにしてしまい、ロドリギーニョが右から早いグラウンダーのパスを送ると、ジョは落ち着いたコントロールシュートを決め、コリンチャンスが追加点を決めた。
 ポンチ・プレッタは後半25分にPKのチャンスを獲得するも5試合連続無失点中と、絶好調のコリンチャンスGKカッシオがルッカのキックをストップ、連続無敗記録を26に伸ばすと共に、連続無失点記録も6試合に伸ばし、まさに「無人の野を行く」が如き独走状態だ。


 現在2位には6勝5分1敗、勝ち点23のフラメンゴがつけている。1試合平均勝ち点1・91は悪い数字ではなく、混戦リーグなら優勝ペースだが、コリンチャンスのハイペースの前に完全に影に隠れた状態だ。

 コリンチャンスは水曜に、昨年優勝も、今年はイマイチ調子の上がらない、宿敵パルメイラスと戦う。デルビーパウリスタと呼ばれる因縁のライバル対決開始から100周年の今年は、両チーム共にSNSなどで対決を盛り上げる企画を行っている。現在両者の勝ち点差は13あるが、ダービーは順位や勝ち点差とは別物、共に並々なならぬ気合で試合に臨む。激しくともクリーンなファイトを期待したい。