ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

100年続くダービー、パルメイラスとコリンチャンスの因縁

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  5カ月前、サンパウロ州選手権一次リーグでの対戦時はコリンチャンスが終了間際のジョ(中央)のゴールにより1-0で勝利した

(Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)

  

     エッ!クァルタ・フェイラ! エッ!クァルタ・フェイラ! エッ!クァルタ・フェイラ!「(大事なのは)水曜日だぞ!」とコリンチアーノたちが、目の前の試合そっちのけで叫びだした。

 7月8日、アレーナ・コリンチャンスでのコリンチャンスxポンチ・プレッタ戦後半40分の出来事だ。
「この試合、もう勝利は間違いない。次の水曜(12日)のパルメイラス戦はもっと気合入れていけよ!」との気持ちが込められている。

 7月12日の夜にサンパウロ西部にあるパルメイラスのホームスタジアム、アリアンツ・パルケで、ブラジル全国選手権第13節パルメイラスXコリンチャンスの一戦が行われる。

 共にサンパウロ市を本拠とする両チームの対戦には「デルビー・パウリスタ」の愛称がつけられている。サンパウロ市を本拠とするサンパウロFC、港町サントス市を本拠とするサントスFCも加えた4チームがサンパウロ州の4強で、4強同士の戦いはすべてクラシコ(伝統の一戦)だが、パルメイラスとコリンチャンスの対戦がもっとも対抗心が燃え上がる。

 1910年創立のコリンチャンスと、1914年創立のパルメイラス、両者の初の直接対決は1917年5月6日のことで、パルメイラスが3-0で勝利した。今年はそれからちょうど100年ということで、ツイッターなどでは#DerbyCentenário(#ダービー100周年)のハッシュタグも使われて、マスコミ、ファンの注目も過熱している。
 
 昨年サンパウロ州選手権と、全国選手権で行われた、3戦全てのコリンチャンス戦に勝ち、全国選手権優勝も果たしたパルメイラス。戦力流出を最小限にとどめ、大型補強も敢行と、「タイトルを総なめにするのでは」とさえいわれたパルメイラスだが、全国選手権ではここまで6勝1分5敗の勝ち点19で5位と、ぱっとしない成績だ。
 片や昨年はチッチ監督をブラジル代表にとられ、財政難から多くの主力選手を失い、全国選手権を7位で終えて、リベルタドーレス杯出場権さえ逃したコリンチャンス。全国選手権開幕前の予想は、「せいぜい6位でリベルタドーレス杯出場権を取れればOK」といった評価だったが、開幕してみれば、なんとなんと10勝2分の勝ち点32でダントツの首位だ。
 全国選手権は全38節もあり、まだまだ優勝の行方は分からないが、今13ポイントある両者の勝ち点差、もしコリンチャンスが明日の試合に勝って、16ポイント差になったら逆転は相当困難だろう。(パルメイラス5連勝、コリンチャンス5連敗でも逆転できない)逆にパルメイラスが勝って勝ち点差を10とすれば、まだまだ逆転は充分に可能だ。つまり、この一戦はディフェンディングチャンピオンのパルメイラスにとって、シーズンまだ3分の1の段階で、「早くも連覇の望みが残るかどうか」という一戦になってしまった。

 またこの一戦は両チームに「連続無敗記録更新」のかかる一戦でもある。パルメイラスは昨年7月より続くホームゲーム28戦連続無敗記録を継続中で、コリンチャンスは全国選手権開幕前の、サンパウロ州選手権から続く、公式戦連26戦連続無敗記録を継続中だ。引き分けとなればどっちの記録は継続だが、結果は果たして?