ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

「本田圭佑、メキシコリーグ パチューカへ電撃移籍」について

「本田圭佑メキシコ、パチューカ入り」のニュースは、ブラジルのサッカー専門紙ランセの電子版も、現地時間7月14日の12時50分付で報じた。
 
  ランセは「ミランで構想外の日本人ミッドフィルダー本田、パチューカと契約」の見出しを打ち、
「ミランと契約切れの本田は、10年過ごした欧州を後に」
「新シーズンに向けて、インパクトのある契約(ボヌッチのことだと思われる)で陣容を整えつつあるミランも、構想外の選手たちは去っている」
「本田はミランでの3年半で92試合11得点と、期待に応える活躍を見せられなかったため、ミランは契約を延長せず、6月いっぱいで本田は無所属となっていた」などと報じたランセは、本田が名古屋グランパスでプロデビュー、2007年にオランダのVVVフェンロに移籍して以降、ロシアのCSKAモスクワ、ミランでプレーしたことを伝えている。

 ブラジル紙、イタリア特派員の記者だけあって、かなり辛辣な報道も、これが本田へのニュートラルな評価なのだろう。
 
 これがメキシコメディアだと、少しトーンが変わる。
日本代表として2回のワールドカップに出場、日本でもっとも有名な選手の一人、パチューカ会長は「クラブで最もビッグな契約」と語った、2016/17のCONCACAFチャンピオンズリーグを制し、年末にはUAE開催のクラブワールドカップに出るパチューカには貴重な戦力、、、などと期待もこめてだろうが、好意的な報道だ。
 
 メキシコのチームは昨年まで南米ナンバーワンクラブを決める、リベルタドーレス杯に招待出場していた。 CONCACAFチャンピオンズリーグよりも、南米のリベルタドーレス杯の方がレベルが高いが、メキシコチームがリベルタドーレス杯で優勝しても、南米代表としてクラブW杯に出られないので、メキシコリーグの優勝チームや上位チームはCONCACAFチャンピオンズリーグにまわり、リベルタドーレス杯にはその下の順位のチームが出ていた。にもかかわらず、毎年メキシコ勢はリベルタドーレスでかなり良い成績を上げるので、メキシコリーグのレベルは相当なものだろうなと感じていた。特に2015年のフランス代表ジニャックを擁したティグレスの快進撃の末の準優勝が印象に残っている。
 
 メキシコ代表に関しては、ワールドカップの度に、「メキシコ人選手は決して身体も大きくないのに、テクニカルなサッカーで世界16強の常連。日本もメキシコのスタイルを見習おう」と言われる。本田がメキシコのサッカースタイルを身につけ、日本代表に還元することはあるだろうか? 本田のプレースタイルはちょっと適応に苦労しそうだとは思っているが、彼がパチューカでコンスタントに出場し、活躍することで、日本代表でもまたレギュラーに戻れるよう祈りたい。