ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル全国選手権4部リーグ、過酷なトーナメントに突入

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 折角のワールドカップスタジアムが有効に使えるように、ナタールのアメリカには全国3部に勝ち進んで欲しい( Jobson Galdino/ Portal da Copa/ME/)

 

 ブラジル全国選手権の4部リーグは、68チームがわずか4つの昇格の切符を争う、過酷な大会だ。

 全国選手権と言っても、広大なブラジルの国土をホームアンドアウェーで争えるほど、各チームの予算規模が大きくない。そのためまずファーストラウンドでは本拠地が近いチームで4チームずつ、17のグループに分かれ、その中でホームアンドアウェーの6試合を行い、1位17チームと、2位17チームの中で、成績の低い2チームを除いた15チームの、合わせて32チームに絞り込む。

 ベスト32が揃ってからはホームアンドアウェーのトーナメント戦を行い、ベスト16、ベスト8と絞られていき、ベスト4に入れば来年の全国3部の切符が手に入る。

 4部チームにとって、昇格出来ないことは、来期の4部残留を示すものではなく、また4部の出場権を取るために、州の大会で良い成績をとることからやり直しとなるので、僕は全国4部こそがブラジルで最も厳しい大会といってよいとさえ思う。

 その4部リーグの決勝トーナメント1回戦が7月8~16日にかけて各地で行われた。何気なくTVを見ていると、その中の一試合、アメリカ・デ・ナタール(以下「アメリカ」)xアパレシデンセのセカンドレグが、アメリカの地元、リオ・グランデ・ド・ノルチ州、ナタールのアレーナ・ダス・ドゥーナス(そう、2014ブラジルW杯の日本xギリシャ戦の舞台だ)で行われていた。

 「ブラジル4部のレベルはどれほどか」と思って見ていると、それほど低くはない。よほどおかしなプレーもなく、パスも正確につながる。アパレシデンセホームでの初戦は0‐0で折り返していたが、この試合は後半40分にアメリカが千金の勝ち越し弾を奪い1‐0、そのまま勝利した。試合終了の笛の瞬間、アパレシデンセの選手たちの落ち込む姿と、アメリカの選手の歓喜の姿、その差は、残酷なまでに明らかだった。

 アメリカもまだ昇格が決まったわけではなく、この後さらに2つ勝って、やっと全国3部行きが決まる。当然1部リーグほど有名な選手もいないが、昇格プレーオフ特有の「勝てば天国、負ければ地獄」の有様は、1部と比べて多少のレベルの低さを補って余りあるほどのエンターテイメントだ。

 僕の住んでいるサンパウロの近くでは、サンベルナルドというチームがベスト16に残った。次の試合や、その先に進んだ際の昇格のかかる準々決勝はぜひとも見に行きたい。