コリンチャンス、コロンビアの新鋭パトリオータスをくだして、スダメリカーナ杯ベスト16進出
後半アディショナルタイム1分にダメ押しとなる2点目を決めた、下部組織上がりの19歳ペドリーニョ(Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)
南米クラブチームの大会、スダメリカーナ杯を知っているだろうか? 南米クラブ一決定戦のリベルタドーレス杯に次ぐ大会で、各国からリベルタドーレス杯出場チームの次に上位に入ったチームが参加する。ちょうど、欧州チャンピオンズリーグに次ぐ大会、ヨーロッパリーグに相当する。
コリンチャンスは昨年の全国選手権で7位と振るわず、今年のリベルタドーレス杯出場を逃し、スダメリカーナ杯に回っていた。
一回戦のウニヴェルシダ・デ・チレ戦を突破した次の相手はコロンビアのパトリオータス。聞きなれない名前だと思って調べると、国際大会初出場のクラブだった。
1カ月前のファースト・レグで、コリンチャンスは過密日程のために主力を温存し、慣れない高地のせいもあり、先制を許す苦しい展開も、後半アディショナルタイムに、CBバルブエナの起死回生の同点弾が飛び出し、1-1の引き分けとした。 昨日行われたホームのセカンドレグ、全国選手権で中3日、2日の連戦続きのコリンチャンスはファーストレグと同様に、多くの主力を温存して戦った。
4-2-3-1のコリンチャンス、「3-1」の攻撃ユニットが丸ごと控えメンバーで、連携が悪く、中々チャンスを作り出せない。望外の好成績で首位を走る全国選手権を優先するため、またすぐ3日後には国内の強敵フラメンゴを迎えるとあって、チーム得点王のジョはベンチ、司令塔のブラジル代表ロドリギーニョは登録外だった。
2列目に入ったマルキーニョス・ガブリエルや、ジョヴァンニ・アウグストなどは、レギュラークラスの中に、穴埋めとしてはいる分には良いのだが、全員控えだと、練習時間も短い。基本的なパス・アンド・ゴーのタイミングも、「足元に欲しい」「スペースに欲しい」の意思疎通も良くなかった。それでも2枚のボランチは、ガブリエルとマイコンの不動のコンビで、この2人が献身的に中盤でボールを奪いまくるので、大きなピンチも少なかった。
すると前半27分、コーナーキックのチャンスに、直前の試合でも、1カ月前のファーストレグでもヘッドで得点した、CBのバルブエナが、左からのマイコンのキックに難なく合わせてコリンチャンスが先制した。
しかし、南米大陸規模の大会に出るのが初めてで、今年のコロンビアリーグでもパッとせず、ブラジルは遠すぎてアウェイサポーターのゼロのパトリオータスから、コリンチャンスは大量得点を奪うことが出来なかった。
コリンチャンスにリードを許し、パトリオータスが前に出てくることは分かり切っていたのに、コリンチャンスはその圧力をまともに受けてしまい、その後はパトリオータスが大方試合を支配した。ただし、最後の局面でプレーに制度を欠き、コリンチャンスは得点を許さない。
後半の劣勢続きにたまらず、ジョを30分に投入すると、ジョが落ち着いてクサビを受けて、収めて、はたくことで、少しだけコリンチャンスにリズムが戻った。後半45分過ぎ、アディショナルタイム突入直後にGKカッシオが前に大きくボールを蹴ると、ジョが競り合い、ウラにこぼれたボールをかっさらったペドリーニョがループシュートを決めて2-0、これでコリンチャンスの連続無敗記録は31に伸び、スダメリカーナ杯ベスト16進出を決めた。