ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル全国選手権第19節 コリンチャンス3-1スポルチ コリンチャンス負けなし14勝5分で、リーグ前半戦を折り返す

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コリンチャンスの見事な勝利にスタンドのちびっこファンも大喜び

(© Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)

Corinthians x Sport - Campeonato Brasileiro 2017-2017 - globoesporte.com

 

  5日にブラジル全国選手権1部第19節、コリンチャンスxスポルチ戦を見てきた。ここまで13勝5分で首位を走るコリンチャンス、この日もホームのアレーナ・コリンチャンスには4万人を超える観衆が詰めかけた。

 7月19日のアヴァイー戦でCBパブロと右の攻撃的MFジャジソンが負傷して以来、左の攻撃的MFロメロや、ジャジソンの控えのM‣ガブリエルらも相次いで故障。薄い選手層の中なんとかやりくりしているコリンチャンスは、今日も前節からスタメンを入れ替えて臨んだ。 

 ブラジル国内組でも数少ないフィールドプレーヤーの代表選手、右サイドバックのファギネルは、相方のジャジソンを失い、攻撃参加した時の質が少し落ちていたが、前節のアトレチコ・ミネイロ戦で復活の兆しを見せていた。 そのファギネルが前半早々の10分に良い攻め上がりからクロスを送ると、中で待ち構えていたボランチのマイコンがのシュートを試みるもジャストミートせず、外に流れたボールを左サイドバックのアラーナが豪快に蹴りこんで先制した。 あれだけ強いシュートを正確にゴールの隅に打てるU20ブラジル代表アラーナには、欧州クラブからの引き合いが凄く、コリンチアーノは国際移籍期間の終わる8月末まで落ち着かない日々を過ごすことになりそうだ。

 先制後のコリンチャンスは、これまでと同じく引いて守りカウンターを狙うスタイルに切り替える。先制するまで普通にプレーしていたのだから同じように追加点を狙えば良いのだが、相手がどんなに下位のチームでも変わらず、しばらく押されてしまう。あえてボールを持たせていると言えば聞こえは良いが、1点差では何があるかわからない。過去2試合のホームでのリーグ戦は、追いつかれての引き分けに終わっているので不安な思いで試合を見つめていた。

 しかし後半開始1分、これまた、代表選手で最近ロコモティフ・モスクワから引き抜きの声がかかるもチームが断った、トップ下のロドリギーニョがスルスルとドリブルで持ち上がると、スポルチのディフェンスは、みんなパスを警戒して、ボールを持っているロドリギーニョがノープレッシャーになってしまった。ペナルティアーク付近から左足で上手く巻いたシュートが大きく曲がって、ゴール左隅へ。これで2点差2-0。余談だが、そのゴールが良く見える位置にいた僕は、シュートの軌道を見た瞬間「これは入らない」と判断し少し目をそらしてしまい、入るところを見逃してしまった。いかに彼の蹴ったシュートが大きく曲がったかの証拠だ。

 その後コリンチャンスは怪我のレギュラーCBパブロの代役をここまでよく務めている、ユース上がりのCBペドロ・エンリケがCKからヘッドで追加点、スポルチの反撃をタリソンのまぐれのようなロングシュート1点に抑えて3-1で完勝した。スポルチの代表FWジエゴ・ソウザは、トップ下に入り、しかもなかなかボールに触れず、ボランチの位置まで下がりボールを受けることが多く、あまり怖いシーンはなかった。

 さて、コリンチャンスはこの勝利でブラジル全国選手権が2回戦総当たり制度になって以来初めて、前半戦を無敗で折り返したチームとなった。 サンパウロ州選手権から続く連続無敗記録も34に更新し、リーグ前半戦終了時の勝ち点47は、2003年、今より試合数が4つも多かった時期にクルゼイロが作った記録と並んで最多記録だ。

 暫定ながら2位グレミオとの勝ち点差は11、3位サントスとは13、4位パルメイラスとは15、一日遅れで試合をするこれらのチームがもし勝てないと、コリンチャンスとの差は相当大きくなる。

 少し前まで、「全国選手権と同時進行のスダメリカーナ杯が日程的にも大変だから、2軍を出して負けたら負けたでいいのでは?」なんて意見も出ていたが、今では、「スダメリカーナ杯と日程が近い全国選手権こそ、2軍でいって引き分け狙い。リーグ優勝と、大陸大会の2冠を狙おう」なんていうマスコミもあるほどだ。

 ただ今でも、開幕前の「コリンチャンスのメンバーは貧弱、4~6位争いがせいぜい」と言われてもおかしくない程、地味なメンバーで、控えの層も全く厚くはない。「一戦、一戦謙虚に戦っていくだけ」のカリーリ監督コリンチャンスの指揮官ファビオ・カリーリ(43)日本行きの夢を語る - ブラジルサッカー便り の言葉通りに地に足をつけて戦っていって欲しい。