ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル全国選手権を独走のコリンチャンスイレブンは、スタメン全員の獲得にかかった移籍金を合わせても10億円以下

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 シャペコエンセとの第20節がシャペコエンセのバルセロナ、日本遠征のために延期になり、今期初の2週間ものインターバルを得たコリンチャンスは、プールトレーニングで体力の回復に努める(Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)
 
 ブラジル全国選手権の前半戦を14勝5分で折り返したコリンチャンスへの賞賛は、留まるところを知らない。他のチームに比べて余りに素晴らしいため、無敗記録や、最小失点にとどまらず、少しビミョーな褒められ方まで出てきた。その一つが、「コリンチャンスはファールが少ない」だ。 実際に、3-1で勝った前節のスポルチ戦では得点(3)の方がファールした数(2)よりも多かった。ただ、その事について聞かれたDFラインリーダー格の、CBバルブエナは、「いつも、ボール際を激しく、しかし汚いファールはするな」と監督に言われている。 しかし、『ファールをしないようにしよう』と考えて試合に臨んだ事はない」と当たり前の返答だった。
 
 続いては、「コリンチャンスは大金を費やさず、良い選手を集める」というもの。スタメンの11人の内ほとんどがゼロ移籍か育成チームからの昇格で、移籍金がかかっていない。スポルチ戦のスタメン11人の中で、獲得時に移籍金がかかったのはバルブエナの2億2千万円、ガブリエルの2億2700万円、ロドリギーニョの1億4千万円だけだ。これを全て足しても5億8700万円で、サンパウロFCがルーカス・プラットに費やした7億2400万円、フラメンゴが、エヴェルトン・リベイロに費やした7億7千万円、パルメイラスがボルハに費やした11億3700万円を下回る。
 ただし、これは選手の給料は含まれないし、今はチームと選手との契約があるので、それを破棄させて他のチームがコリンチャンスから獲得しようとしても、当然ゼロ移籍にはならない。
 
 ちなみに昨年のリベルタドーレス杯での活躍が見込まれて、10億円以上の移籍金をアトレティコ・ナシオナルに払ってパルメイラスが獲得したコロンビア代表FWのボルハは真価を発揮できておらず、8月の移籍ウィンドウで、欧州のチームに売られるのでは?との噂も出ている。せいぜいパルメイラス首脳陣は交渉を頑張って欲しい。
 コリンチャンスはDFパブロ(今は怪我で離脱中の)を、今年初めにフランスのボルドーからレンタルで獲得したが、今年これまでの活躍ぶりで、今は保有権を買い取りたくて買い取りたくて仕方がないようだ。 しかし、ボルドーが要求する1億5千万円程度の移籍金もポンっと払えずに交渉中の様子を見ると、よほどスタジアムの借金がかさんでいるのだろう。 ブラジルでもトップクラスの観客動員と、1人当たりの平均入場料の高さから、ホームゲームの度に入る8000万円の入場料収入もドンドン借金の返済に消えているようだ。 もう全国選手権の優勝はともかくとして、来年のリベルタドーレス杯出場はほぼ間違いない情勢、少しでも多くのレギュラーをそのままキープして来年の戦いに挑みたい。