ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

明暗分かれたリベルタドーレス杯 泣いたパルメイラス、アトレチコ・ミネイロ、アトレチコ・パラナエンセ笑ったボタフォゴ、サントス、グレミオ

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 リベルタドーレス杯ベストエイトに残っているブラジル勢3チームの中でブラジル全国選手権でも優勝を争っている唯一のチーム、(LUCAS UEBEL/GREMIO FBPA)

 
 今週はリベルタドーレス杯決勝トーナメント1回戦のセカンドレグが行われ、ブラジル勢6チームの明暗ははっきり分かれた。
 
 まずは「負け組」から、昨日まで何回も書いたパルメイラスはおいといて、アトレチコ・ミネイロ(Atl.M)とアトレチコ・パラナエンセ(Atl.P)の話をしたい。
 ボリビアのホルヘ・ウィルステルマンとアウェイの初戦を0-1で落としていたAtl.Mは最後にリベルタで優勝したブラジルのチーム(2013年)で、近年はカップ戦に強く、地元に帰っての2戦目は必勝体制で臨んだが、0-0と逃げ切られ、万事休す。残りのシーズンは、下位に低迷しているブラジル全国選手権の順位を1つでもあげるための戦いとなった。
 
 サントスFCとのブラジル対決に敗れたAtl.Pは、初戦のホームでは2-3の敗戦。「2点差以上の勝利が必要なサントスFCとのアウェイ戦」という状況にもめげず、ブラジル全国選手権3連勝の勢いを持ちこんで攻めまくったが、サントスのGKヴァンデルレイがAtl.Pのシュートをことごとくストップすると、後半32分にカウンターでのワンチャンスをものしたサントスの勝利となった。現在8位のAtl.Pは、首位コリンチャンス、2位グレミオ以下は拮抗している上位陣に割って入り、全国選手権6位を確保して、来年のリベルタ杯出場権だけでも確保したいところ。
 Atl.Pに勝ったサントスFCのクルピ監督は、「酷い内容だったが、勝ちは勝ち」と語った。リベルタ杯の権威が高いブラジルでは、ベストエイトに入りでもしたら、リベルタ杯前後のリーグ戦軽視は当然のこと。当然リベルタ杯での優勝だけを狙っているだろう。そもそもクルピは2カ月ほど前は浪人中で、今はリベルタ杯優勝を狙う立場。ブラジルでの監督の運命は、こうも短期間で、こうも大きく変わるのか? そろそろ監督業からの引退の時も近いクルピは、キャリアの集大成としてのリベルタ杯優勝を狙っているだろう。
 
 「勝ち組」中で特筆すべきはボタフォゴ、一次リーグ進出のためには、予備戦からスタートして、コロコロ(チリ)、オリンピア(パラグアイ)の優勝経験チームを次々と降すと、一次リーグでもエストゥディアンテス(アルゼンチン)やアトレティコ・ナシオナル(コロンビア)などの優勝経験チームを差し置いての決勝トーナメント進出し、決勝トーナメントでも優勝経験のあるナシオナル(ウルグアイ)を下した。2トップは決してJリーグでも猛威を振るったとは言いがたい、ピンパオンと、ロジェルの2人、チームOB、伝説的選手のガリンシャやジャイルジーニョも果たせなかった偉業を、ジャイルジーニョの息子が監督としてかなえるのだろうか?
 続いてグレミオ、全国選手権では勝ちすぎのコリンチャンスの影に隠れてはいるが、12勝3分4敗勝ち点39の2位も立派な成績で、普通なら充分優勝ペースだ。 さらにブラジル杯では準決勝に、リベルタ杯でもベストエイト入りを決めているのだから、「実質的に一番強いのはグレミオ、試合内容もコリンチャンスより良いし」と評価する声もあるほど。
 
 監督は、ビッグマウスのワルオヤジ、レナト・ガウーショ、選手としてもリベルタ杯、トヨタカップを制覇している。それが今回監督としてリベルタ杯も優勝すれば、これは紛れもなく伝説だ。
 コリンチアーノの僕としては、ブラジル勢にリベルタ杯で優勝されると、コリンチャンスの全国選手権での好成績がかすむので、できればアルゼンチン勢に優勝して欲しいが、各チームがどれほどこの大会にかけているかもよく分かるので複雑なところだ。
 
 ベストエイトにはアルゼンチンからリーべルプレート、ラヌース、サンロレンソ、ボリビアのホルヘ・ウィルステルマン、ブラジルはグレミオ、サントスFC、ボタフォゴ、エクアドルのバルセロナが残った。準々決勝は9月に行われる。