ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル杯準決勝 勝負の行方は来週のセカンドレグに

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ドルトムント時代の香川のパートナー、元パラグアイ代表のルーカス・バリオス、人員余剰のパルメイラスからグレミオに放出された今年は大復活

(LUCAS UEBEL/GREMIO FBPA)

 16日はブラジル杯の準決勝ファーストレグのグレミオxクルゼイロ(@ポルトアレグレ、アレーナ・ド・グレミオ)と、ボタフォゴxフラメンゴ(@リオ、エンジェニャォン競技場)が行われた。

 ブラジルではカップ戦の人気がとても高く、準々決勝の段階から、各チームの入れ込みの度合いはとても大きかった。 すでにリーグ戦ではコリンチャンスが独走状態を築いているせいか、また、カップ戦勝者にも来年のリベルタ杯出場権が与えられるせいか、ベスト4の各チームは、直前のリーグ戦では主力を温存するところがほとんどだった。 平日だというのに、どちらのスタジアムもほぼ満員の入り。高すぎるチケット価格やスタジアムの安全性など、ブラジルでは平均観客動員はそれほどでもないが、ここぞの一戦ではまだまだスタジアムは満員になる。 カップ戦準決勝はまさにその、「ここぞの一戦」だ。

 カップ戦だけでなく、リーグ戦でも2位につけるグレミオは、昨年ブラジル杯で優勝した時と準決勝の相手は同じクルゼイロ、初戦ホーム、2戦目アウェイの対戦順まで同じで、縁起が良かった。 

 試合は前半終了間際にペドロ・ロッシャの左からの折り返しをルアンがシュート、こぼれ球をルーカス・バリオスが押し込んで先制すると、そのまま逃げ切り1ー0で勝利した。 クルゼイロにアウェイゴールを与えずに勝ったことは非常に大きく、来週のアウェイ戦で、1点でも取ると、クルゼイロは3点必要になる。また、もし2点差で負けていても、どこかで1点でも取れば、それはサッカーでは珍しい一発逆転ゴールとなる。アウェイゴールに怯えて戦わなければならないクルゼイロには厳しい展開か。

 

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リオ対決となったボタフォゴxフラメンゴ戦はスコアレスドローに、フラメンゴ、ジエゴのFKは惜しくもバーをたたいた。

Gilvan de Souza / Flamengo

 

さて、準決勝のもう片方は、ボタフォゴxフラメンゴのクラシコだ。昨日の

名門ボタフォゴ躍進を支える38歳の監督は、チームのレジェンド、ジャイルジーニョの息子 - ブラジルサッカー便りでも紹介したように、ボタフォゴは地味な選手のラインナップながら、ジャイルジーニョ監督を中心にここまで勝ち上がってきた。 フラメンゴは、昨年リーグ戦3位の勢いを背に、豪華補強を施し、リーグ戦、カップ戦、リベルタ杯のタイトル総なめを狙うもリベルタ杯では早期敗退。リーグ戦も低迷と、去年のチーム立て直しの貢献者、ゼ・リカルド監督を解任してしまった。 この試合は後任のコロンビア人監督、レイナルド・ルエダ氏の初陣だった。リオに着いたばかりで、カップ戦準決勝でしかもクラシコというプレッシャーのかかる試合が初陣とは災難だが、ルエダ新監督は守備陣に若干の修正を加えて戦った。

 試合はタレント力に勝るフラメンゴが押し気味で、チャンスも多く作るも、元ブラジル代表のジエゴの直接FKがバーをたたくなど、フラメンゴにはツキもなく、0ー0で終わった。 試合後、レポーターがホームボタフォゴの選手たちに、引き分けだけど、相手にアウェイゴールを与えなかったので、「良くない結果の中でも最良の結果でしたね」と不思議な表現で話しかけていた。 

 アウェイもゼロゼロだと、延長なしでPK突入、GKの力量ではボタフォゴが上、点を取っての引き分けはボタフォゴ通過と、これまたフラメンゴにはしびれる展開だが、来週の満員マラカナンでの試合はいったいどうなる?