ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ビッグ12って、そりゃ12チームもビッグチームに数えたら、どこか1チームつくらいは2部落ちするよ サンパウロFC降格の危機

 

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シーズン途中でサンパウロFCに加入したペトロス、及第点の仕事はしているが、サンパウロFCの浮上にはまだ足りない。(Felipe Oliveira / EC Bahia)

 ブラジル全国選手権では、「ビッグ12」という言い方がしばしば使われる。

フラメンゴ、ヴァスコ、ボタフォゴ、フルミネンセのリオ4強に、コリンチャンス、サンパウロ、パルメイラス、サントスのサンパウロ4強と、さらにアトレチコ・ミネイロとクルゼイロのミナス州の2強と、グレミオ、インテルのリオ・グランデ・ド・スール州の2強をあわせた12チームだ。

 12チームも「強豪」で括ると、毎年どこかが2部に落ちて、毎年「まさかの降格」が発生することになる。最後にBig12が1部に揃ったのは2012年のことで、2013年にはパルメイラスが、2014年はヴァスコが、2015年はボタフォゴが、2016年はヴァスコが、2017年はインテルが2部での戦いを余儀なくされている。

 さて、今年の1部で降格し、来年を2部で戦うことになってしまいそうなビッグクラブは、、、なんとサンパウロだ。全国選手権優勝5回、リベルタドーレス杯優勝3回、トヨタカップ優勝2回、クラブワールドカップ優勝1回と、国内では抜群の成績を誇り、フラメンゴ、サントス、クルゼイロと共に、「2部落ち知らず」を誇る4チームの一角だ。 思えば昨年のインテルの降格も2部落ち知らずの一角が崩れる事件だったが、今年もしサンパウロが落ちたら大事件だ。 

 もともと近年は成績の安定しないサンパウロだったが、今年最大の失敗は、一昨年引退したクラブのレジェンド、ロジェリオ・セニを監督に据えてしまったことだ。

 そもそも全国選手権1部から4部、果ては全国選手権に出場資格のないチームまで混在する、サンパウロ州選手権での成績は、全国選手権が始まったらあてにならないことが多いのに、そこで開幕早々に大量得点での勝利を続けて調子に乗ってしまったのがダメだった。

 チーム作りは守備からがセオリーなのに、軽い守備陣を放置した上に、GKも定まらず、主力をシーズン途中でボロボロとヨーロッパのチームに引き抜かれ、混乱に拍車がかかった。全国選手権の途中でセニを見限り、ドリヴァル・ジュニオールを招聘し、中国からエルナネスを獲得するも、中々チーム状態は上向きにならない。

 現在は22節まで消化して6勝5分11敗の19位、残留ゾーンの16位のチームとの差は勝ち点2と、まだ慌てる段階ではないが、降格圏内に長くとどまればとどまるほど、心理的重圧はさらに大きくなっていく。

 「どんなに状態が悪くても、さすがにサンパウロが2部落ちすることはないだろう」との声と、「去年もそんなこと言っていてインテルが落ちた。サンパウロの1部残留はわからないぞ」声が上がっている。

 コリンチアーノたちはサンパウロの2部落ちを盛大に祝おうと既に盛り上がっているが、僕はやはりサンパウロには1部にいて欲しい。来年も全国1部の舞台でダービーを戦いたいのが本音だ。