ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

どうしたアルゼンチン? 南米予選で大苦戦 ホームで最下位ベネズエラにも勝てず

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ワールドカップ南米予選を16節まで消化して、アルゼンチンはプレーオフに回る5位と低迷している。

(Lucas Figueiredo / CBF)

 

 ワールドカップ南米予選が大変なことになっている。予選全18節の内16節までを消化した段階で、ブラジルの首位通過だけが決定していて、残り4位までの自動出場権、5位のプレーオフ出場権の行方が全く分からない状態だ。

 順位は1位のブラジル(勝ち点37・以下同)以下、2位ウルグアイ(27)、3位コロンビア(26)、4位ペルー(24)、5位アルゼンチン(24)、6位チリ(23)、7位パラグアイ(21)、8位エクアドル(20)、9位ボリビア(13)、10位ベネズエラ(8)となっている。

 同じ勝ち点で並ぶペルーとアルゼンチンは得失点差は+1で並んでいて、総得点でペルーが上回っている。

 

 今の時点で予選が終了すると、4位ペルーまでが本大会自動出場で、5位アルゼンチンがオセアニアとのプレーオフ、6位のチリは予選敗退だ。チリは15年、16年とコパアメリカを連覇し、今年のコンフェデ杯にも出たのに、本大会には行けないことになる。

 8月31日、9月5日に行われた第15、16節で、連勝したのはペルーのみだった。 さらに9位と10位で、もう出場の可能性がゼロになっていたボリビアとベネズエラも、みすみす連敗することなく意地を見せた。(ベネズエラはコロンビア、アルゼンチンと引き分けた。ボリビアはペルー戦こそ敗れたもののチリ戦で勝利)

 心配なのはチリとアルゼンチンだ。チリは、9月シリーズ(8月31日に試合があったがあえてこう呼ばせてください)が始まる前は勝ち点23で4位出場権獲得圏内にいたのに、パラグアイ、ボリビアに続けて敗れ、6位予選敗退ゾーンに転落してしまった。

 アルゼンチンは、ウルグアイ戦の引き分けこそ、致し方なしと言えるも、最下位ベネズエラとも引き分けたのは痛恨だった。16節まで終えて5位、このままではプレーオフ送りだ。

 僕はかねがね、「南米予選はボリビアとベネズエラからしっかり勝ち点を取り、それ以外の8チームでの争い」だと思っていたが、混戦の今回はそれさえも簡単ではないようだ。ベネズエラは今年のU20ワールドカップで準優勝しているし、今後ますます侮れない存在になっていくかもしれない。

 「アルゼンチンはメッシ、ディバラ、ディ・マリア、チリはアレクシス・サンチェスにヴィダル。欧州トップレベルのクラブで主役を張る彼らがいて、予選突破できないわけはない。『本来の力』はこんなものじゃない」と言う人がたまにいるが、16節も戦ってこの位置にいるということは、もうそれが「本来の力」だ。いくら有名な選手がいたって関係ない。ピッチの上で「本来の力」とやらを証明しなきゃ。試合は0-0、11人対11人で始まる。過去の栄光は何も助けてくれない。

 逆にここへきて上り調子なのはペルーだ。第10節まで3勝2分5敗で8位に沈んでいたのに、最近の6試合を4勝1分1敗の成績で、一気に4位の出場権獲得ゾーンに入ってきた。残り試合はアルゼンチン、コロンビアと難敵が続くが、勢いに乗って勝つかもしれない。

 ペルーが最後にワールドカップに出場したのは1982年のこと。最年長でチームを引っ張るFWゲレーロ(33)が生まれるよりも前のことだ。勝ち点で並び、得失点差、総得点まで絡む争いになっているアルゼンチンとの直接対決はまさに大一番だ。