ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル全国選手権第27節 W杯予選直後の試合でコリンチャンスはコリチーバに3-1で勝利。2位との差を10ポイントに

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試合が行われた10月11日は子供の日の前日と言うこともあり、試合前のメンバー紹介は各選手の子供のころの写真が使われた。写真は先制点を決めたジョ

 ワールドカップ南米予選最終節の行われた10月10日の、なんと翌日、ブラジルリーグが再開された。 過密日程の各国にFIFAも気を使い、ワールドカップ予選は主に木曜と火曜に行うことで、週末がつぶれるのが一回で済むようにしているのだが、ブラジルはお構いなし。水曜にさっさと再開してしまう。 

 コリンチャンスから代表に行っていたのはGK カッシオ(ブラジル代表)とDFバルブエナにFWロメロ(パラグアイ代表)の3人だった。10日にアスンシオンで行われたヴェネズエラ戦、ロメロは出場したが、バルブエナは出場しなかった。ロメロは、代表ウィーク入りの直前の試合で「上手く」累積3枚目をもらっており、11日の試合にはもともと出られないことになっていた。カッシオはブラジル代表でも第3GKのため、出番もなく、ブラジルの試合会場はサンパウロのアリアンツ・パルケ。試合後車で移動すれば、コリンチャンスの一員として、ホテルに前泊さえも可能な状態だった。

 問題はディフェンスの要バルブエナ、ヴェネズエラ戦には出なかったが、勝てばプレーオフの試合を落として意気消沈の中、試合当日に飛行機でサンパウロに戻ってきたようなコンディションで、果たして出られるのか心配されたが、第2、第4のCBも怪我している中、彼も出られないとなると、ディフェンスラインは大ピンチだ。

 果たして、チームと彼の判断は先発出場だった。ただの親善試合の帰りではない。ワールドカップ予選最終節で、出なかったとはいえ、チームが出場権獲得を逃して、翌日飛行機に乗ってから普通試合に出られるだろうか? (事実バルブエナは「昨夜は一睡もできなかった」とコリチーバ戦後に述べている。)

 しかしバルブエナはこうも言った「ページをめくる必要があった」(これは起きたことを受け止めて、人生を前に進める必要があったという意味)

 そのせいか、コリチーバ戦のバルブエナは「ハッスルプレー」

と評してもおかしくない程の奮戦ぶりだった。セットプレーで前線に上がるも、FKは自分の頭に合わない。ここですぐに戻らず、セカンドボールを確保した味方に「俺が斜めに走るから前に出せ」とジェスチャーで要求し、自分でクロスボールをあげてもいた。

Corinthians x Coritiba - Campeonato Brasileiro 2017-2017 - globoesporte.com

 

 試合は前半10分に、このところ調子の出なかったベテランMFジャジソンの見事なヒールパスにジョが走り込み決めてコリンチャンス先制した。しかし、残留争いただ中のコリチーバも意地を見せ反撃。ポゼッションでもシュート数でもパス成功率でもコーナーキック数でも上回り、前半の内にCKから同点に追いつくと、後半の15分ほどまではコリンチャンスを押し込んだ。

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3戦連続ゴール、この日は2得点の「乗ってる男」クレイソン

(© Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)

 

 ここで監督カリーリの打った手は見事だった。最近の定番となっている、後半途中からのドリブラークレイソン投入だが、下がったのは、いつものジャジソンではなくボランチのマイコンだった。 (システム的には4-2-3-1から、4-1ー4-1と、押されているのに守備を削って、攻撃を厚くした)これが功を奏し、コリンチャンスは試合の主導権を奪い返すと、途中出場のクレイソンが、3試合連続となる得点を決めて勝ち越し。クレイソンはダメ押しゴールも上げてコリンチャンスが3-1で快勝した。

 同じ日のグレミオxクルゼイロではグレミオが敗れ、翌12日のポンチ・プレッタxサントスは引き分けと、コリンチャンスと2位以下のチームとの差はますます広がった。