ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

リベルタドーレス杯決勝 ホームのグレミオが1-0で先勝

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(LUCAS UEBEL/GREMIO FBPA)

Grêmio x Lanús - Taça Libertadores 2017-2017 - globoesporte.com

 実に決勝戦らしい試合だった。
22年ぶり3度目の南米制覇を狙うブラジルのグレミオと、初の南米制覇を目指すアルゼンチンのラヌースの顔合わせとなった今年のリベルタドーレス杯の決勝の1st Legが、22日にグレミオのホーム、アレーナ・ド・グレミオで行われ、グレミオが後半37分、途中出場のシセロのゴールで1-0で勝利した。 

 34年前のクラブ初の南米制覇とその後のトヨタカップでの世界制覇の立役者、レナト・ガウーショが監督として率いるグレミオは、今年はリベルタドーレス杯と、ブラジル全国選手権の過密日程に苦しんだ。リーグ戦でもここまで2位をキープし、国内カップ戦でも準決勝進出を果たしながら、一番重要なリベルタドーレス杯でも決勝に進んできたグレミオの安定性と総合力は全国選手権優勝のコリンチャンスを凌駕していたと認めざるを得ない

 対するラヌースは、ブエノス・アイレス近郊の小クラブでありながら、準決勝で同じアルゼンチンのビッグクラブ、リーベル・プレート戦、2nd Legの後半途中まで、トータルスコア0-3で負けていながらそこから4点叩き込んで初の決勝進出を決めた。

 グレミオの決勝進出は5度目で、これまで2勝2敗。その内2敗はアルゼンチンのインデペンディエンテとボカ相手に喫したもので、「グレミオは決勝でアルゼンチンに勝てないジンクスを敗れるか?」とブラジルでは報道されている。
 グレミオにとっては分の悪いデータはまだある。これまで13回実現した、ブラジルチームとアルゼンチンチームのリベルタドーレス決勝での対戦は、アルゼンチン勢が9勝4敗で大きくリードしている。


 今回の決勝はアウェイゴールルールなし、総得点で同点の場合は延長、それでも決着がつかなかったらPKというものだ。試合は2戦目のホームゲームが勝負と見たラヌースは試合開始から引き気味に試合を進め、前半は0-0で折り返した。

 ホームでアドバンテージを持って2nd Legに進みたいグレミオは後半さらに攻勢を強めるが、中々ラヌースの守備を崩せずにいると、レナト・ガウーショは、今年後半にサンパウロから移籍するもこれまで中々出番のなかった後半26分にシセロを投入、その3分後にはこの日不発のルーカス・バリオスに代わって、長身FWジャエルを投入すると この2人が大仕事をやってのけた。後半37分にセンターライン右サイド付近からのクロス(リプレイを見るとほとんど「放り込み」といってもいい)をジャイロがラヌースDFの裏にヘッドで送ると、抜け出したシセロがGKとの1対1を、GKにぶつけながらもゴールにねじ込んだ。

 「0-1なら許容範囲」とばかりに、ラヌースは同点を狙って攻勢に出ることもなく守備を固め続けたが、当然更なるリードが欲しいグレミオは攻め続ける。しかし、後半終了間際のグレミオの攻撃時に明かなPKのシーンが見逃され、試合はこのまま終了した。

 リターンマッチは来週水曜29日。アウェイゴールルールがないので、ラヌースは「1点取られたら3点必要」のように、ビビることなく試合を進められる。単純にホームチームの1点ビハインド、トータルで同点なら延長突入だ。ブラジル国内での戦いぶりを見る限りでは、グレミオが露骨な引き分け狙いをすることも考えにくく、オープンな展開になるのではないだろうか?