ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

コリンチャンス、ホーム最終節は2-2で引き分け。なんとか体面は保って優勝トロフィー授与のセレモニー行う。

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コリンチャンスの優勝決定戦が平日夜遅くの開催だったこと、次の試合はアウェイだったことから、ようやくその次の、今年最後のホームゲームの後に優勝セレモニーが行われた。(Lucas Figueiredo/CBF)

 コリンチャンスの全国選手権制覇は、15日の第35節フルミネンセ戦に勝ったことでもう決まっていたが、その日は試合が終わるのが深夜12時近くと遅く、延期されていたトロフィー授与のセレモニーが、ようやく次のホームゲームである26日の第37節アトレチコ・ミネイロ戦の後に行われた。

 3節を残して優勝が決まり、直後の第36節アウェイ・フラメンゴ戦は疲れの出た主力を温存し0-3で敗れていた。僕は「残り全敗しても優勝の価値は全く変わらない」と、頭では分かっていたが、やはりトロフィー授与のセレモニ―が控える試合で負けてはカッコつかないので、コリンチャンスは26日のアトレチコ・ミネイロ戦には、出場停止のMFロメロ、契約延長交渉が決裂して、チームから嫌がらせのように外されたDFパブロを除くベストメンバーを並べた。

 対するアトレチコ・ミネイロは、元ブラジル代表のフレッジ、ロビーニョ、エリーアスらを擁し今シーズンが始まる前の評価はかなり高かったチームだ。まだ来年のリベルタドーレス杯出場権獲得の望みは残しており、簡単にコリンチャンスの引き立て役に回る気は全くなかった。

 前半から両チームともにオープンな攻め合いだったが、先制したのはアトレチコ・ミネイロ。前半25分にヴェネズエラ代表MFオテロが難しい角度からのFKを直接決めた。 僕はちょうどこの点が決まった側のゴール裏で見ていたが、「悔しいけれど、見事なFK。勝敗は関係ないし、こんなゴールは近頃めったに見られないからむしろ儲けもの」と思うほどだった。

 コリンチャンスも10分後にはジャジソンがゴール前に蹴り込んだFKのボールが誰にも触れずに入ってのゴールで同点に追いついた。

 後半12分には後半開始から入ったマルキーニョス・カブリエルが右から切り込むと、左利き選手のおなじみのプレー、体を開いて左足に持ち替えてのクロス、、と思いきや、大きくカーブをかけて直接ゴールを狙ったシュートがサイドネットを揺らし、逆転に成功した。優勝が決まる前の試合だったら、ここからコリンチャンスはすぐに中盤の守備を強化して、逃げ切りを図っていた(そしてかなりの確率で逃げ切りに成功していた)のだが、今日はいわば華試合。監督のカリーリも攻撃的な布陣を崩さず戦うことを選択した。 それが吉と出ていれば更なるゴールも生まれていたのだが、結果は逆だった。アトレチコ・ミネイロの反撃を許し、CKを立て続けに与えると、CKディフェンスの弱さには定評のあるコリンチャンスは耐えきれなかった。ノーマークでフレッジにヘディング許し同点、その後は両チームともに少々雑な、バスケの3on3のような、「交互にゴール前まで持ち込んで、さーてどっちが点取れるかな?」的な展開になってしまい、最終的には2-2で引き分けた。

 勝利こそならなかったが、引き分けで最低限の結果を確保してのトロフィー授与セレモニーでは、優勝の立役者の一人、ブラジル代表GKのカッシオがトロフィーを掲げ、チーム全員で場内を一周した。

 昨年の低迷と地味な補強から、誰も想像できなかった今年のコリンチャンスの優勝だが、大きな負債を抱えるチームの宿命である、「主力の流出」「チーム解体」が年末から来年初めにかけての、ファンの心配の種だろう。 すでに左SBアラーナと、左CBのパブロを失うことは決定的となった今、僕は「前回優勝した15年末から16年頭にかけての主力8人流出だけは避けて欲しい。流出を2人だけにとどめておけば、補強次第ではリベルタドーレス杯優勝も狙えるのだから」と祈る思いでオフシーズンを過ごすことになる。  

 あっ、まだ全国選手権終わってないんだった。12月3日の最終節はコリンチャンスはどんなメンバーで挑むのだろう? 来年の開幕が1月17日と狂気的なまでに早いから、もう主力は休みに入らせるのだろうか? 相手は1部残留をかけて必死のスポルチだから、怪我だけしないように気を付けて欲しい。