ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ボカ・ジュニオルスを率いて、リベルタ杯優勝を目指すギジェルモ・バロス・スケロット監督に、ブラジル紙がインタビュー

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 ギジェルモ・バロス・スケロット(44)という選手を覚えているだろうか?アルゼンチンのボカ・ジュニオルスで1997年から2007年の10年に渡って活躍し、300試合出場86点の結果を残している元名ストライカーだ。
 この頃のボカと言えば、名将ビアンチに率いられ、リベルタドーレス杯を2000年、2001年と連覇、2003年も、2007年も優勝し、トヨタカップでは、2000年に東京でレアルマドリードを、2003年に横浜でACミランを倒しており、まさに黄金時代だった。
 リケルメやパレルモらと共にそんなボカの攻撃陣を牽引したギジェは、2016年からボカの監督を務めている。アルゼンチンリーグ2016/17シーズンでチームを優勝に導いた彼は、来年アルゼンチン王者として、リベルタドーレス杯に出場する。

 イケメンでダンディーなギジェの率いるボカは、1次リーグでパルメイラスと同組になった。ボカは第1ポットだったのだが、パルメイラスが第2ポットにまわり、ボカは最強の第2ポットを引いてしまったのだ。両チームは2000年大会の決勝で対戦し、ボカがトータルスコア同点の末のPK戦を制して、パルメイラスの連覇を阻んでいる。

 リベルタドーレス杯組分け抽選の行われるパラグアイのアスンシオンにわざわざ記者を派遣し、ボカの監督にソッコーでインタビューを取り載せるのが、スポーツ紙でなく、一般紙というね、、、こうゆうところがブラジルの良いところなんだなあ。

早速翻訳してみた。

Qパルメイラスと1次リーグで同じ組になった感想を聞かせてください。
Aパルメイラスとは私が選手時代に重要な舞台で対戦し、その両方で勝った思い出がある、私にとっては縁起の良い相手。(リベルタドーレス杯2000年決勝、2001年準決勝、共にボカが勝利)リベルタドーレス杯参加チームの中でもトップクラス、優勝候補の一つと言ってもよい相手と早い段階で対戦する事はチーム強化の点でも良い事。決してくじ運が悪かったとか、ネガティブにとらえてはいない。

Qもっと楽な組に入りたかったですか?
A楽な組など存在しない。難しい組になることは覚悟していた。昔はリベルタ杯でも1次リーグくらいでは簡単な相手もいたが、もうそんな時代ではない。

Q大会参加チームも、あなたが現役の頃と比べて増加しました。大会はレベルアップしたといえるでしょうか?
Aそう言えると思う。優勝するための道のりも長くなった。しかし、参加チームすべてが、自国のリーグ戦を脇において、最優先で優勝を狙ってくるという、大会の本質的なところは変わっていない。

Qあなたはパルメイラスを優勝候補と呼びましたが。ボカだってそうではないですか?ボカのアンジェリシ会長は、「我がチームは優勝を義務付けられて戦う」とも言っています。
Aボカのような偉大なチームが、優勝を意識しないでリベルタ杯を戦う事は有り得ない。そして、優勝のために必要な過程、超えるべき難関についてもよく理解している。
今大会は10チームくらいが優勝候補として拮抗したレベルにあると思う。当然彼らも優勝を意識しているはずだ。

Qパルメイラスとボカの他にどこが優勝候補だと思いますか?
Aコリンチャンス(ブラジル王者)、リーヴェル、インデペンディエンテ(スダメリカーナ杯王者)、アトレティコ・ナシオナル(コロンビアの強豪)などがそうだと思う。優勝できるのは1チームだけ。リベルタ杯では必ず困難が待ち受けていて、それを克服するには気持ちの強さが必要だ。私が優勝したときもそうだった。私の率いる選手たちにも、来年是非メンタルの強さを持って欲しい。私は選手として優勝できた。今度は監督として優勝したい。

Qブラジルチームについてどんな事を知っていますか?
Aブラジルのチームをよく偵察するので知っている。今年のチャンピオン、コリンチャンスと、去年のチャンピオン、パルメイラスはとても強い。個人で局面を打開できる選手もいる。スダメリカーナ杯準優勝のフラメンゴも強い。補強してどのように変わるか興味深い。現在のリベルタ王者、グレミオは素晴らしい監督がいる。この4チームがブラジル勢の中でも要注意だ。

Q「決勝でのブラジル対アルゼンチン」はこの大会の華といえるでしょうか?
Aピッチ上のことだけに関して言えば、アルゼンチンxブラジル対決は美しい。ブラジルチームとリベルタ杯で対戦するのはいつも素晴らしい経験だ。それが決勝だったら、忘れられないものになるだろう。私は強い敵と戦うのが好きだ。

Q2019年から、リベルタ杯決勝は中立地一発勝負になる可能性があります。それには賛成ですか?
A中立地一発勝負の利点は、ホーム開催試合の審判がどうだ、どっちに有利だ不利だといった議論がなくなってよい。 H&Aだと、決着のつく第2試合はどちらかのホームであるわけで、今年のスダメリカーナ杯で起こった、アウェイチームへの嫌がらせ、サポーター同士の乱闘といった問題も少なくなるとは思う。
ただし、実現可能かどうかはわからない。チームにとってだけでなく、サポーターにとっても問題がある。南米は欧州よりもずっと広いし、移動も簡単ではないからね。

僕が南米のクラブサッカーに強く興味を持ちはじめたのは2000年のレアルxボカのトヨタカップがきっかけ。あの時得点したのはパレルモだったが、ギジェルモも奮闘していた。選手時代からダンディーぶりは変わらず、昨シーズンもボカを優勝に導いた彼の幸運を祈りたい