ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

2006年には横浜でバルセロナを破って世界一になったインテルが、3部リーグ(SerieC)降格の危機

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「落ちるわけない」と楽観しているのか、「裁判は裁判、試合は試合」と達観しているのか、チームは普通に試合を続けている。
(Foto Ricardo Duarte)

 

ブラジル最南端リオ・グランデ・ド・スール州の名門、インテルナシオナル(以下インテル)が3部降格の危機に瀕している。
 
インテルはファルカン、ドゥンガを輩出、これまでにブラジレイロン3回制覇、同じ州のグレミオと州選手権(カンピオナート・ガウーショ)で毎年優勝を争う名門クラブだ。
2006、2010年にはリベルタドーレス杯も制した。2006年にはクラブW杯決勝でバルセロナも破り優勝している。
 
昨年まで、フラメンゴ、サンパウロ、サントスFC、クルゼイロと共に、「全国2部落ち知らず」を誇ってきたが、昨年の全国選手権でまさかの降格の憂き目にあっていた。
 
昨年のリーグ終了直後、インテルは一つ上の順位で1部残留を果たしたヴィトーリアが、ヴィトール・ラモス(以下ラモス)を獲得した経緯に問題があるとして、ブラジルスポーツ裁判所に訴えていた。
 
インテルの主張はこうだ。「ヴィトーリアはパルメイラスからラモスをレンタルで獲得した。ラモスはパルメイラスでもメキシコのモンテレイからレンタル移籍していた。ヴィトーリアは『パルメイラスからヴィトーリアへの国内クラブ間移籍だから、国際移籍期間とは関係なくいつでも行える』と言っているが、それは嘘だ。パルメイラスはラモスをいったんモンテレイに戻している。これはモンテレイからヴィトーリアへの国際移籍だ。国際移籍期間ではない時期にこれを行ったヴィトーリアにはペナルティが科されるべき」
インテルは、ヴィトーリアが勝ち点マイナスなどのペナルティを受けることで、逆転で1部残留することを目指していた。
 
(実はこれはよくある話、2013年シーズンも降格したフルミネンセが、降格を免れたポルトゲーザを訴えて、逆転残留を果たしている。最近でもフラメンゴとスポルチが、1987年優勝チームの座を争って裁判沙汰になっている)
 
ブラジルスポーツ裁判所の判決は、1審、2審ともにインテル敗訴。インテルはスイスのスポーツ仲裁裁判所(CAS)にも訴えていたが、そこでも敗訴だった。
 
話はこれで終わらない。
インテルが証拠として提出した、ヴィトーリアとブラジルサッカー連盟(CBF)間のEメールは、偽造されたものだったことが判明し、インテルが逆に文書偽造で検察に訴えられてしまったのだ。これは国際サッカー連盟(FIFA)規約にも違反する行為で、ペナルティは最大で「当該チームは、参加大会から追放、一定期間の選手獲得禁止、罰金」となる。
 
もし「当該チームは、参加大会からの追放」となると、インテルは現在戦っているブラジル全国選手権2部から追放される。 ということは来年は3部降格?とブラジルマスコミは騒いでいる。
 
当のインテルは、「あくまで、全面敗訴で、最大限のペナルティが科せられたときだけでしょ、そんなん。控訴だってできるし」とタカをくくっているが、果たして13日の判決はいかに?