ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジレイロン第9節 コリンチャンス3-0でバイーアに勝利、7勝2分けで首位キープ 次節は大一番アウェイグレミオ戦

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レギュラーFW、ジョの調子が良すぎて余り出番のない、リザーブの元トルコ代表FWカジン、絶好機を外して悔しがる。
(© Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)

Corinthians x Bahia - Campeonato Brasileiro 2017-2017 - globoesporte.com

6月22日、ブラジレイロン第9節コリンチャンスxバイーア戦を観戦してきた。
 
サンパウロの東の果てのアレーナ・コリンチャンスに平日19時半にたどり着ける人はそれほど多くなく、キックオフしてしばらくは空席も多かったが、徐々に埋まって、観客動員は3万4千人を超えた。
試合内容、結果に関わらず、大勢のコリンチアーノがスタジアムを埋めたときの応援の雰囲気は格別だ。願わくば昨年後半のようなガラガラの寒々しいスタジアムではなく、ずっとこのままでいって欲しい。
 
対戦相手バイーアは、北東部バイーア州サルヴァドールを本拠とするチームで、昨年は2部にいたが、今年昇格してきた。
今年前半のバイーア州選手権では準優勝、北東部各州のチームが参加する、コパ・ノルデスチは優勝を果たした。
昨年バイーアを昇格に導いたグト・フェレイラ監督が、2部とはいえ国内屈指の名門インテルに引き抜かれてしまったので、後任にジョルジーニョ(元鹿島アントラーズ)が就任してまだ間もない。全国選手権1部残留が現実的な目標だ。
 
ここまで首位のコリンチャンスだが、7節クルゼイロ戦から明らかに調子が落ちている。この日も2部上がりのバイーアにほとんどボールを支配される有様、相手に主導権を握られるのは、引き分けに終わった前節コリチーバ戦も同じだった。
 
「クサビをあてて落としを受け、ワンツーで突破、サイドを上がった選手に流して、クロス」的な教科書通りの攻撃をするのはいつもバイーアだったが、コリンチャンスの守備は、ただのリトリート、抜かれることだけはしないようにずるずる後退した。 それでも大してピンチらしいピンチもなかったのは相手のラストパスの精度が低かったことと、ほとんどのミドルシュートを大きく外し、相手がチャンスを棒に振ってくれたことが原因だ。
 
試合が動いたのは前半24分、カウンターからコリンチャンスのブラジル代表右サイドバック、ファギネルが攻め上がり、ドリブルでバイーアDFをかわしスルーパス。DFラインの裏に抜け出したジョは、相手GKも抜いて無人のゴールに流し込んだ。これでジョはブラジレイロンで5得点。気の早いコメンテーターからは「代表で試しても良いのでは?」の声が上がるほどの好調ぶりだ。
 
しかしコリンチャンスはこの後、一気に畳み掛けるでもなく、またペースをバイーアに握られた。リトリートディフェンスで、自陣深くで敵のボールが「ひっかかって」奪えても、そこから相手ゴールまでは遠い道のり、カウンターにも精度を欠き、バイーアに攻められる時間帯が続いた。
 
支配される時間が長いとファールもかさむ、後半11分にはコリンチャンスのボランチガブリエルがイエローで2枚目で退場してしまった。その時筆者は負けも覚悟したが、その4分後、バイーアも軽率なファールがイエロー二枚目となり、ボランチのレネ・ジュニオールが退場となった。10対10はフィールドの人口密度が低くなり、両チームともに使えるスペースも広くなるので攻撃的な試合になることが多い。
 
しかし試合の流れは11対11の時とまるで変わらず、バイーアが淡々と攻め、コリンチャンスが耐える時間が続いた。そんななかコリンチャンスは後半34分にCKのチャンスを得ると、ニアに走りこんだロメロがボールの方向を変え、フリーになったバルブエナが押し込んで追加点を決めた。 セットプレーからの得点が少なかったコリンチャンスにとって、7節クルゼイロ戦に続いて今節もCKから得点したことの意味は大きい。イタリアのラツィオやジェノアからオファーが届いているという噂のザゲイロ(CB)、バルブエナの残留を祈るばかりだ。
2点差がつくとガッカリしたのかバイーアのペースも落ちた。後半アディショナルタイムにはコリンチャンスの途中出場マルキーニョス・ガブリエルが、敵GKからのパスを受けたDFからボールを奪い、ループシュートを決めて突き放した。
 
これでコリンチャンスは、反省材料も多く出たが、開幕からの無敗を守り、7勝2分で首位をキープした。次節は7勝1分1敗で2位のグレミオとアウェイの地での直接対決だ。5万人収容のアレーナ・グレミオは早くもチケットは完売だ。
恒例の「日曜16時のグローボ」の中継を楽しみたいと思う。