ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジル全国選手権、最後までもつれた1部残留争いの末に、カズもプレーしたコリチーバが7年ぶりの2部降格。

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ヴィトーリアには非情のアディショナルタイム、PKでの失点となったフラメンゴジエゴのゴール。それでもヴィトーリアは僅差で一部残留を勝ち取った。

(Gilvan de Souza / Flamengo)

 5月13日の開幕から、ここまで6カ月と3週間。ついに2017年ブラジル全国選手権1部が終了した。普段は土曜~月曜の分散開催だが、最終節は日曜17時に10試合同時キックオフとなった。 理由は簡単で、来年の南米大陸カップ戦出場権や、1部残留の行方を争うチームが、先に他会場の結果を知って、試合を操作することがないようにするためだ。

 ブラジルの放送では、同じ時刻に行われている他会場の得点経過が動くたびにその知らせが入り、暫定順位も出る。10試合も同時に行われると、その変動も激しく、特に4チームが最後2つの残留のイスを争った残留争いが興味深かった。

 最終節が始まるまで、15位ヴィトーリア(勝ち点43)、16位コリチーバ(43)、17位スポルチ(42)、18位アヴァイー(42)に降格の可能性があった。

 僕の見ていたコリンチャンスxスポルチ戦は、とっくに優勝を決めているコリンチャンスと、残留のために死ぬ気で戦うスポルトの間に大きなモチベーションの差があった。さらに、コリンチャンスは来年を見据えて、控えや若手にチャンスを与えたこともあり、スポルチが問題なく1-0で勝利した。スポルチは勝ち点を45に伸ばした。

 残留争いに巻き込まれている他の3チームはすべて試合終了間際まで1-1の引き分け、これでアヴァイーには逆転の目はなく、最後の残留の権利の行方は、ヴィトーリアか、コリチーバに転がり込むことになった。

 ヴィトーリアはフラメンゴ、コリチーバはシャペコエンセと、共に、順位を一つでも上げて来年のリベルタドーレス杯出場権を狙いたいチームとの対戦だったことが災いした。フラメンゴも、シャペコエンセも、コリンチャンスのように、半端なメンバー、半端なモチベーションで戦いには臨まなかった。

 コリチーバも、ヴィトーリアも後半追加タイムに失点し、共に勝ち点43で変わらず、得失点差で1上回ったヴィトーリアが生き残った。

 ヴィトーリア43          スポルチ45

 コリチーバ43           ヴィトーリア43 (得失点差ー8)

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 スポルチ42            コリチーバ43  (得失点差ー9)

 アヴァイー42           アヴァイー42

 引き分けの勝ち点1と、負けの0では大違いで、コリチーバは追加タイムの失点を避けていれば、負けたヴィトーリアを勝ち点差1上回り残留できるはずだったが、仲良く1点差の負けでは、両者の順位は入れ替わらず、結局スポルチに抜かれて、降格ゾーンに落ちてしまったのはコリチーバだった。

 こうして1部リーグも国内カップ戦も終わったブラジルサッカーだが、スダメリカーナ杯決勝(6日と13日にアルゼンチンのインデペンディエンテ)を控えるフラメンゴと、先日のリベルタドーレス杯優勝のため、クラブワールドカップ(12日準決勝と16日決勝or3決)に出るグレミオのシーズンはまだ終わらない。

 来年はワールドカップがあるため、主要州選手権の開幕が1月17日からと早く、この2チームはインターバルが1カ月しかない。 普通シーズン最終戦が終わって最低1カ月はバカンスに行くなりゆっくり休んで、それからキャンプに入り、最低1カ月は調整して翌シーズンの開幕となるが、2017シーズン最終戦と、2018開幕戦の間隔が1カ月では、選手の身体が心配だ。