ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

元アントラーズのオズワルド・オリベイラ監督、試合後インタビューでレポーターと喧嘩

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元鹿島アントラーズのオズワルド・オリベイラはブラジルでも元気です。ただ、僕がこっちきた2014年以来、サントス、パルメイラス、コリンチャンス、アトレチコ・ミネイロとどこでも短命政権。ポジティブに考えれば「すぐ次の声がかかる」という見方も

(Bruno Cantini / Atlético)

アトレチコ・ミネイロのオズワルド・オリヴェイラ監督が、7日に行われたブラジル杯1回戦の試合後のインタビューでレポーターと口論するという一幕があった。
 

オリヴェイラ監督は、Jリーグの鹿島アントラーズを率いてリーグ戦3連覇の実績がある、日本でもお馴染みの監督だ。
 

 同監督の率いるブラジル1部の強豪アトレチコ・ミネイロは、3部のアトレチコ・アクレアーノと敵地で対戦した。先制を許すも辛くも同点に追いつき、大会規定により、2回戦進出を決めた。
 アトレチコ・ミネイロが2回戦に進めたのは、「1回戦はCBF作成のクラブチームランキングで下位のチームの本拠地での一発勝負とする。90分で引き分けの場合は、敵地戦を強いられた側の2回戦進出とする」という規定に救われたからだ。


 試合後の監督インタビューでラジオ局のレポーターから、「アトレチコ・ミネイロは今夜全く良いプレーが出来ず、全国3部のチームに引き分けがやっとでしたが…」と問われると、最後まで言い終わらない内に「そんなのは君の個人的な感想、意見、分析だ。質問をしなさい」と返した。
 レポーターは「じゃあ、最後まで質問させてください」と返すも、「いいよ。でも君の言う、『アトレチコ・ミネイロは全く駄目でした』という前提に乗る気はない。私やチームを不当に低く評価するような、またそうした印象を与えるような態度はやめてくれ」と返答し、2人の間の緊張感は高まっていった。
 

 ただし公平に見て、リベルタドーレス杯で優勝経験もある1部名門アトレチコ・ミネイロが、ブラジルの中でも、もっとも僻地のアクレ州の、今年から3部に上がったばかりのチームに敵地戦とはいえ引き分けで満足できるはずがないし、全く批判を受けないはずもない。
 ただし、やはり2人のコミュニケーションはうまくいかなかった。すべて聞き取れたわけではないが、
レポーター「これがポジティブな結果だとでもいうんですか?」
オズワルド「2回戦進出は充分ポジティブじゃないか。他の1部のチームだって突破に苦労している。フルミネンセだってギリギリだったし、ボタフォゴは負けたんだぞ」
というやり取りもあった。
 全く友好的ではない雰囲気でインタビューは終わり、レポーターは下がった。引き続きオズワルドは別のレポーターからの質問に答えていたが、突如怒り出し、「おまえ、今なんつった!」とレポーターに詰め寄った。
 「何も言ってないじゃないですか」とレポーターは返すもオズワルドは全く収まらず、広報にやっとのことで制止されると、「侮辱の言葉は自分の家で使え。俺に言うのは許さんぞ。あのボケが」と吐き捨てた。
 その後オズワルドは、「あんな態度を見せてしまった事をチーム、サポーター、マスコミの皆さんに申し訳なく思っている」との声明を発表するも、口論となったレポーター個人への謝罪は行わなかった。
 オズワルドは「お前、今なんつった?」とレポーターに食って掛かったが、何と言ったのだろう?

 オズワルドは直後に電話出演したTVのサッカー番組で、「俺とのインタビューが終わったあと、レポーターは確かに『くたばりやがれ』と言った。あの場にいた人も聞いてたはずだ」と語った。

 ブラジルでは記者会見では常に緊張感のあるやり取りが行われる。格下チームに勝てなかった時などが最も緊張の高まる瞬間で、レポーターは質問の前にとうとうと自分の意見を述べて議論を誘導し、監督をやっつけようと質問をする。

 監督もそんなの慣れっこで、「おっしゃる通りですね、すみません」とは絶対にならず、はぐらかしたり、一般論に逃げたりとお手のものだ。気に入らない質問の時は「何だって?君は試合を見ていたのか」と凄んでもみせる。そんなやりとりがすぐTVにさらされるから、うかつなことは言えない。日本でも会見のやり取りをもっと流したら面白いのにと思う。