ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

ブラジルリーグの仕組み

 世界でも珍しく、同一シーズンで州別選手権と、全国規模の選手権を行う国ブラジル。
 
 今年のサンパウロ州選手権では、コリンチャンスが優勝し、リオ・デ・ジャネイロ州選手権ではフラメンゴが優勝した。他にはクルゼイロとアトレチコ・ミネイロがしのぎを削るミナス・ジェライス州選手権や、インテルとグレミオの争うリオ・グランデ・ド・スル州選手権などが有名だが、マイナーな州も含めて全26州とブラジリア連邦区で個別に大会が行われる。
 
 全国規模のリーグの1部から2部、2部から3部、3部から4部へとディビジョンが落ちていくと、地方別の大会になる国は多い。例えば日本でも、J3の下はJFL、その下は地域リーグだ。
 
 ブラジルはそうなっておらず、各チームは、州選手権も全国選手権も同じシーズンで戦い、その両方で戦うチームも多いため、州選手権では2部落ちなのに全国選手権では優勝とか、その逆も起こりうる。州の大会と全国の大会は「基本的に」連動していない。サンパウロ州選手権1部には全国でも上位に来るチームと、全国3部にも入れないチームが混在している。サンパウロ州1部には、全国3部以下のチームもいるのに、サンパウロ州2部には全国2部のチームもいる。
 
  ブラジル全国選手権1部と2部は20チームホームアンドアウェイのリーグ戦で、3部は20チームを国土を南北に分けて10チームずつ、リーグ戦とプレーオフトーナメントで優勝や昇格を決める。4部はもっと凄くて、4チームのグループが17組、これもリーグ戦と、トーナメントの2段階だ。4部リーグの各チームは、本拠地が近いチーム同士で同じ組になる。3部、4部では予算規模も小さく、広大なブラジル国内を移動する費用もバカにならないためだ。
 
 さて州の大会と全国の大会は「基本的に」連動していないと書いたが、全国4部だけは例外だ。全国4部の参加資格を得るには、「基本的に」前の年の州選手権で、全国1~3部に入るチームは除外した中で、上位に入らなくてはいけない。
 
 全国4部は昇格に失敗しても「残留」ではなく、また州選手権で上位に入る事で、参加資格の取り直しとなるのだ。68チーム中、上位4チームしか来年の全国3部に昇格できず、昇格できなくても、来年の参加は保証されない過酷な大会だ。
 
 かなり複雑な仕組みだがわかっていただけただろうか? 明日は、2013年までは全国1部、サンパウロ州1部にいたのに、毎年のように降格し続け、遂に、来年は全国4部にも参加できなくなりそうな危機にある、サンパウロの名門ポルトゲーザを紹介する。