南米予選のドラマ 間接FKを直接狙うFWゲレーロのミスと、それに飛びつき触ってしまった上にゴールを許したGKオスピナのミス
母国を36年ぶりのワールドカップ出場に導けるか? ペルー代表のエースFWゲレーロ(Ernesto Benavides )
10月10日は、欧州、南米、北中米カリブ海など、世界中でW杯出場を目指して行われる予選にまつわる悲喜こもごもが繰り広げられた。
最終節前まで、首位のブラジルしか予選突破を確定させておらず、2位から7位までの6カ国が、4位までの自動出場権3枠と、5位の大陸間プレーオフ出場権1枠をかけ争っていた南米では多くのドラマが起こっていた。
10チーム総当たりの南米予選は、毎節5試合が行われる。その中で、唯一、出場権をかけて争っている状態の2チームの直接対決(その他の4試合は全て、どちらかがすでに出場を決めているか、出場の可能性がない状態だった)ペルーxコロンビアでとんでもないドラマが起きた。
試合前の両者の状態はコロンビアが3位、ペルーが5位でどちらも自力出場のためには勝利が必要だった。
試合は後半10分、コロンビアがハメス・ロドリゲス(バイエルン)のゴールで先制した。ペルーは敗れると予選敗退となってしまう。
まずはどうしても同点に追いつきたいペルーは、後半30分にゴール右で間接FKのチャンスを得る。間接FKはそのボールを直接ゴールに蹴りこんでも得点にはならず、蹴った人以外に誰かが触ったうえで入らないと、ゴールは認められない。
審判のその合図として腕を高く上にあげていたし、味方の選手も「間接だぞ」と呼びかけるも、キッカーのゲレーロ(フラメンゴ)は気づかない。
www.youtube.com 映像の10分04秒から見て欲しい。
ペルー人の実況が
Es tiro libre indirecto Paolo tiro libre indirecto Paolo
「パオロ(ゲレーロ)間接だぞ!間接だぞ!」と呼びかけている
当然そんなの聞こえないゲレーロは、直接ゴールめがけてボールを蹴ってしまった。
この時のコロンビアGKオスピナ(アーセナル)の正しい対処は、ボールに触りもせず、そのままゴールさせること。そうしておけば、コロンビアのゴールキックで試合再開のはずだった。しかしGKの本能だろうか、止めようとしてボールに飛びつき、ボールに触れるもゴールイン。なんとこのオスピナのタッチのせいで(おかげで)ゴールが認められてしまった。コロンビアの選手は抗議するも、審判は手をはじくしぐさをしながら「GKが触れている」と説明。引き下がらずを得なかった。試合はこのまま同点で終わり、他会場の結果から、コロンビアの4位通過と、ペルーのプレーオフ出場が決まった。
ゲレーロは翌日のインタビューで、「ゴールを狙うことに集中しすぎていて、全然気づかなかった」と語り、記者たちの笑いを誘っていた。
ペルーの大陸間プレーオフの相手はオセアニア1位のニュージーランド。11月のホーム&アウェーのプレーオフは非常に熱い戦いになりそうだが、ペルー代表のホームであるリマの国立競技場は既にコンサートの予定が入っており、このままでは使えないとペルー紙が報じている。