ブラジルサッカー便り 

2014年よりブラジル、サンパウロ在住、サッカー大好きです。

サンパウロのスタジアムにビッグフラッグや太鼓が戻ってくる?

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華やかで平和なスタジアムが戻るのがサッカーファンみんなの願い
(Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)
 
 サンパウロ州のスタジアムに、ビッグフラッグ、組織的サポーター集団(オルガニザーダ)の名を書いた横断幕、太鼓の持ち込みが認められることになりそうだ。24日に行われたサンパウロ州治安維持関連当局者達の会合で決定された。

7月18日のスタジアムに持ち込めないもの - ブラジルサッカー便りにも書いたが、サンパウロ州ではスタジアムへの持ち込み禁止物がとても多い。

 「オルガニザーダの名を書いた横断幕」とあるが、どういうことか説明しよう。例えば僕が2012年クラブワールドカップ時のタオルマフラーを持ち込む際に、警察は念入りにそれを広げて何が書いてあるかチェックする。ただ、C O R I N T H I A N S と書いてあるだけなので問題はないのだが、これがもし GAVIÕES DA FIEL やCAMISA DOSEなどのオルガニザーダの名前が入っていたら持ち込めない。 オルガニザーダには、問題(というか犯罪)を起こす人間が紛れており、また、チームを応援しているのか、自分達のグループを応援しているのか分からないときがある。コリンチャンスのホーム、アレーナ・コリンチャンスでは、オルガニザーダのグッズを着用して入れる唯一のセクター北ゴール裏では、毎試合5~6のオルガニザーダによる分裂応援状態だ。同じコリンチャンスを応援しているのにしばしば喧嘩する彼らの自分たちの組織の名前を誇示するような行為は認められないできた。

 

 太鼓の持ち込みが許可されるということは、コリンチャンスもパルメイラスも、サンパウロFCも、みんなオルガニザーダはサンバ隊も有名なため、スタジアムに、カーニバルの雰囲気が戻ってくるのかもと、楽しみではある。
 
 ビッグフラッグに関しては、決勝やビッグマッチの時に、これまでも広げた事があったので、何をいまさら「禁止を解く」なのか不明だが、これまでのはチーム主導で、解禁されたのはオルガニザーダが持ち込み、広げるものなのだろう。
 
 今回ビッグフラッグや横断幕、太鼓の持ち込みは解禁されたが、旗ざお・発煙筒の持ち込み、アルコールの販売、サンパウロ州4強対決(クラシコ)の際のビジターファン入場禁止措置はそのままだった。旗は自分の前で振られると試合が見難くて困るが、やはりスタンドで揺れる大旗はサッカーの華の一部だ。先週末のフルミネンセ戦で、フルミネンセのファンがふっていた(リオ州では禁止されていない)のをみて、うらやましかった。
 サンパウロ市でこの前の土曜に行われた、パカエンブースタジアムでのサントス戦に3万人以上、月曜のサンパウロ戦には5万人以上がつめかけた。コリンチャンスとパルメイラスは、スタジアムの最大収容人員が4万程度で、チケット価格もかなり高めに設定されているにもかかわらず、ほぼ毎試合3万人以上入っている。同じ節で4チームが全てホームになる事はなく、ホームゲーム開催は2チームずつに分かれているが、一つの節で、市内のサッカー場に行った人の数は合計6~8万人だ。
 こんなにサッカーが愛されている街だが、喧嘩や狼藉、犯罪行為、時には殺人まで犯す人は少しではあるがいる。ごく少数の彼らのために多くのサッカーファンの楽しみが制限されるのは本当に忍びない。早く竿付きの旗の持込みや、クラシコのビジターチームファンの入場も再開して欲しい。