15年前にはリベルタドーレス準優勝、今はブラジル4部ですらない、サンカエターノ戦観戦記
スタジアムの入り口はこんな感じ
冬のただ中のブラジル、今日7月1日は、サンパウロの南隣の市サンカエターノ・ド・スールのアナクレトカンパネーラ競技場に、コパ・パウリスタのサンカエターノ対サントスBを観戦してきた。
(コパ・パウリスタとは、ポルトゲーザの悲劇 - ブラジルサッカー便り の29行目から書いてあるので読んで欲しい)
サンカエターノは1989年創設の若いチームで、1990年代末から急激に強くなり、2000年と2001年にはブラジル全国選手権1部準優勝、2002年にはリベルタドーレス杯準優勝も果たしている。ちなみに決勝の相手はパラグアイのオリンピアで、サンカエターノはPK負け。もし勝っていれば、その年の横浜でのトヨタカップでは…レアルマドリードと対戦していたことになる。
しかし近年は低迷し
2006年に全国選手権2部に落ち
2013年は全国選手権3部に落ち
2014年はサンパウロ州選手権1部から2部に落ち、全国選手権でも4部に落ち
2015年は全国選手権4部からの3部昇格に失敗で、全国規模の選手権出場資格を失った。
2016年、2017年は、全国選手権に出られていないが、2017年上半期のサンパウロ州選手権2部で優勝し、来年のサンパウロ州選手権1部昇格を決めた。
2017年下半期に行われるコパ・パウリスタは、優勝チームには翌2018年の全国選手権4部への出場権が与えられる大会だ。サンカエターノはサンパウロ州1部復帰を決めた勢いと共に、今日のサントスB戦に臨んだ。
サントスBは23歳以下の選手で構成されている。ブラジルでは、U-20までは年代別の全国選手権も、サンパウロ州選手権も行われており、タイトルの重要性も高いため、20歳以下の選手はそっちに集中すると予想される(正確な情報がなく、今日のサントスB に、U20に出られる、20歳以下の選手もいたのか確認できず)つまり今日のサントスU23は、21~23歳で、トップ登録できていない選手の集まりだと予想される。
サントスU20で20歳になってもトップにあがれなかったら、別の格が落ちるチームでのプロ契約を目指すはず。それをサントスに残り、U23までプレーする選手、させておくチームのメリットはなんだろう?サントスも伊達や酔狂でU23チームを編成しているわけではなく、投資効果があると思っているからチームに残すのだろう。
(観衆は200人ほど、ガラガラのスタンドに、過去の栄光「2002年リベルタドーレス杯準優勝」の文字が)
序盤から押し込んだのはサントスB、前半15分ごろ右サイドからのクロスをヘッドで合わせて先制するも、その5分後、サンカエターノも、右サイドからペナルティーアーク付近にグラウンダーのクサビが入り、ポストの選手がウラに出すと走りこんだ選手がシュート、こぼれ球をもう一人の選手が決めて同点とした。
その後は一進一退の攻防が続く。サントスBの選手を中心に見ていたが、「これがあのサントスが、将来性を買っている選手たちだろうか?」と思わせるクオリティー。最近流行りの、「ゴールキックをペナルティ―エリアすぐ横でセンターバックが受けて、端からつないで…」的なプレーをしたときにそのゴールキックがゴールラインを割り、サンカエターノのCKになったのにはびっくりした。
後半は、、、実は寒さが酷く、風邪をひきそうだったので帰ってしまった。帰宅して結果を確認すると、2-2で引き分けていた。
以前から、15年前はリベルタ準優勝なのに今はブラジル4部ですらない、サンカエターノに対する興味と、新しくスタジアムを試合観戦で訪問したいという願いだけで行った土曜のプチ遠出だった。
(10レアル(340円相当)のチケットで見たガラガラの試合。でもこれで、筆者のブラジルでの試合観戦スタジアム数が23に)